夜尿症(おねしょ)の治療について想うこと

夜尿症(おねしょ)は鍼灸治療でも得意とする分野です。

しかし、どういうわけか、なかなか改善しない例とすぐに改善する例があります。
この違いをあらためて考えて記事にしてみましたので、興味のある方は読んでください。

夜尿症の治療でも子供と大人では大きく違います。


1、子供の治療

(1)治療方法
子供の場合は「小児はり」を主に用います。
これは皮膚に刺すのではなく、皮膚をなでるようにこするはりです。
皮膚は「第3の脳」とも言われていますので、皮膚を適度に刺激することで、脳や自律神経を調える働きがあるので、この反応を応用しています。

逆に、皮膚の特定の場所に夜尿症独特の反応があるので、そこを刺激して皮膚を正常な反応に戻してあげると症状が改善します。
これが一般的には治りやすい例で、早ければ数回程度で治ります。


(2)治りにくい場合
治りにくい場合は、不思議ことに皮膚を正常な状態に戻しても夜尿症が治らないのです。

先日も、ほぼ毎晩夜尿症で悩んでいる7歳の方を治療しました。(ほぼ毎日というのは重症な部類です)
しばらく治療を続けて、例の皮膚の反応はすっかり良くなったのですが、なかなか症状が改善されません。
夜の睡眠時間はしっかりとっている、夜中は起こさない、夜6時以降は水分の摂取を控えている。などはしっかりしていました。
アラーム療法や薬物療法などは一切行っていません。ただ、あまりに大量にしてしまうので、おむつはなかなか手放せませんでした。

本人や家族からの話を聞いていると、どうも本人の精神的成長がまだ夜尿症を止める段階に入っていないようでした。
治したいと本人も思っているのですが、まだ真剣ではないようでした。

私は治療は継続しながらも、本人の気持ちがまだ定まっていないことを家族に告げ、しばらく様子をみるように伝えました。

そして、今年に入ってから大きな変化がでてきました。まず、本人がおむつをしたくないと言い出したこと、家族が布団を濡らされても構わないという意識になったところから劇的に変化し、最近ではほとんど漏らさなくなりました。

ただ、またおねしょが復活してしまう例もあるので、しばらくは月に1、2度くらいは診させてもらいたいと思います。

私は、この事例を通して、あらためて個性、個人差というものを感じさせられました。
治療をして、もう問題なければ、これは成長過程という生理的な問題であって、決して病気ではないのです。
(ストレスや甘えの行為などもあるとは思いますが・・)

病気の場合であれば皮膚の反応が消失すれば症状はたちまち改善します。

私も含め、治療をする立場の者は、病気なのか、生理的なものなのかを見極める必要があるのではないかと考えさせられる症例になりました。


2、大人の夜尿症
密かに悩んでいる方もいらっしゃると思いますが、大人の夜尿症も鍼灸なら可能です。
こちらは生理的とは言えないので早めの受診をおすすめします。
膀胱の尿を溜める機能が問題ないとすれば、あとはホルモンの関係なのでこちらをしっかりと治療すればよいのです。

(1)治療法
あうんで行う一般的な鍼灸治療になりますので、夜尿症だからといって特別なことはせず、
からだを良い状態に戻していくことを目標にしています。
また、生活習慣などをお聞きし、改善点があればアドバイスいたします。

子供もそうですが、大人でも悩んでいる方は一人で悩まずに是非一度電話やメールなどで相談してください。